2010年04月01日

「分析・新薬価制度」(下)―酒井文義氏(クレディ・スイス証券医薬品シニア・アナリスト)(医療介護CBニュース)

―新薬価制度をどう評価しますか。
 新薬価制度、中でも特定の条件を満たせば、特許期間で保護されている間は薬価が下がらない「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」については本来、下がるはずの薬価が下がらずに済むという意味で「救済措置」と考えています。当然、そのメリットを享受できるところとできないところで差がつきます。具体的にメリットが生じる企業は、市場での競争力があり、なおかつ価格競争力のある新薬を創出できる、またはすでに発売しているところです。
 一方で、長期収載品(後発品のある先発品)の一律2.2%の追加引き下げがありました。長期収載品の価格は、次回以降も継続的に下げられ、後発品並みの価格になるのではないでしょうか。今後、長期収載品への依存度が高く、そこから脱却できない企業は何らかの形でビジネスモデル、業態を転換しないとなかなか利益が出せず、研究開発費が捻出できなくなる状況もあり得ます。

 私は、今回の新薬価制度が業界を二極化する一つのきっかけになるという、「不安視」ではなく、「期待」をしています。その方向に向かっていかなければ、日本の製薬業界の将来は暗いと思います。
 あまりにも企業数が多く、やっていることも皆同じようなことなので、はっきり言えば経営資源、人的資源の無駄です。それを集約するという意味では、制度を変えていくことはいいことではないかと思います。

―メリットを享受できる、できない企業をどう見ていますか。
 簡単な分析としては、売り上げに対する長期収載品のウエートを見ることですね。長期収載品の売り上げが占める割合が高いところとしては小野薬品工業や参天製薬が挙がってきます。大手はだいたい国内売り上げの2-3割というところが多いです。長期収載品については、もともと下げられる部分から、今回は一律「追加」で2.2%下げられました。初めて後発品が出て長期収載品となった製品の薬価は、さらに6%程度下げられます。これは相当厳しい。
 今回の薬価改定のインパクトがどのくらいの影響力を持って来期の業績に出てくるかと考えると、ある意味では非常にリスクで、わたしたちが想定しているよりも大きなインパクトを持つ可能性は高いと思いますね。
 一方、メリットを享受できる企業ですが、新薬を多く持っているところと考えると、浮かぶのは外資系企業です。外国で開発され、日本でニーズがある製品は価格競争力、製品競争力があります。それを多く日本市場に投入できる、あるいは投入している外資系企業はメリットを受けるでしょう。ただ、外資系企業も長期収載品の比率がある程度高いところが多いというネックがあります。こうしたことを踏まえ、企業名をあげるとすれば、内資や外資を含めてみなさんの頭に浮かぶのは中外製薬でしょう。

―新制度で浮いたお金は、新薬の創出だけでなく、300以上の未承認薬、適応外薬にも回されることになりますが、これをどう思いますか。
 製薬企業にとっては負担ですよね。ただし、「ドラッグ・ラグ」の解消が目的ですから、製薬企業も真摯に取り組まなければならない。お金は通常の新薬開発ほどはかからないとはいっても、取り組み当初は開発を軌道に乗せるのに人員と開発費用を投入しなければいけません。手間もかかります。
 未承認薬は市場規模が小さく、開発するための経済合理性が成り立たないようなものです。開発のプロセスを迅速化しなければ意味がありません。また、そもそも未承認薬問題の解決は、一企業がやるべきなのか、業界団体全体がやるべきか、という議論が必要です。企業にしてみれば、採算が取れなければやりませんよ、という話ですから…。新薬創出加算で浮いたお金で未承認薬の開発を求める、という方式では長続きしないでしょう。

―新薬創出・適応外薬解消等促進加算は2年間の暫定的な措置ですが、今後も続いていくと思われますか。
 そう思います。2012年度には、薬価制度だけでなく診療報酬制度を含めた全面的な医療制度改革が行われると言われていることを考えれば、手直しこそあれ、現行のシステムに戻るということは非常に考えにくいと思います。

―業界の再編について、さきほど製薬企業の数が多過ぎるとのお話がありました。
 欧米でも、特定の領域に特化した、売上高で言えば400-500億、1000-3000億クラスの製薬企業はあります。ただ、日本の場合は狭い国土の、限られたマーケットですから、乱暴なことを言えば、企業数が半分になっても誰かが供給責任さえ負えば回ります。

 大手4社は、証券市場から見れば、2社か3社に集約されていくことが、当然あってしかるべき動きだと思います。4社の経営者は違うことを考えているかもしれませんが。
 私の考えですが、再編は4社が核にならないといけないと考えています。いわゆる欧州型の1国1、あるいは2メガファーマ体制を作ろうとしたら、やはり4社が何らかの形で3社か2社になる必要があります。そこに例えば塩野義製薬のようなところが絡んでくることもあり得ると考えています。田辺三菱製薬とか協和発酵キリン、大日本住友製薬は、親会社が化学や食品など異業種になっているため、身動きが取りづらいという事情があります。

 新薬価制度が直接的に再編を促すとは言いませんが、間接的に経営者の考え方を左右するでしょう。収益のレベルを見ながら、積極的に動けるかどうかということがポイントです。そうしたことを考えると、2010年という年が再編に向けた一つのスタート地点になる可能性はあると思っています。

―国内の再編に関して、どういった組み合わせが最適でしょうか。
 これは推理小説の世界になりますが(笑)、大手で言えばエーザイと第一三共がどう動くかに注目しています。
 エーザイはベストケースシナリオでも利益はせいぜい横ばい、現実的には少し減っていく方向になります。次の成長に向けてはじり貧でやるにしても、一回腰だめの時期が出てきます。そこからうまく脱却できればいいのですが、それはあくまでもベストケースです。エーザイは、独自経営でアルツハイマー病やがんなど、他社がやらないような特定の領域で独自性を発揮していくと言いますが、そうでない場合はどうするか。あるいは、もしもその領域で行くならエーザイがどこかを買収するということも考えられます。エーザイは特定の領域に特化しているだけ、どことでもやりやすいでしょう。
 第一三共については、企業としてどうなのかと。子会社のランバクシー社(インド)の問題や抗血小板薬エフィエントの問題など、我々が期待していた軌道から大きく逸脱してしまっている。軌道復帰を考えると、第一三共の場合はバランスシートがかなりストレッチしているので、業績が上向いてこないと回りません。次の抗凝固薬エドキサバンが「金食い虫」で、数百億円単位のお金をフェーズ3試験で投入しています。今後、成功するために2-3年は相当投資する必要があると思います。
 また、ランバクシーの業績もあまり良くないですよね。売り上げの構成を見ても、伸びているのは一部の国で、インド国内向きもあまり良くない。インド国内の他のジェネリックメーカーの業績はいいので、ちょっと際立ちます。トップラインが落ちてきているというのはジェネリックメーカーにとって一番の危惧です。さらに、厳しい警告文書をFDA(米食品医薬品局)から突き付けられているような状況です。
 後発品の領域に出るということはすごい決断だったと思います。日本の製薬企業が米国のバイオを目指していた時に、裏をかいたのは良かったと思いますが、現時点の評価はパートナーがよくなかったということではないでしょうか。(この連載は玉城正之と津川一馬が担当しました)


【関連記事】
「分析・新薬価制度」(上)―中村和男氏(シミック会長兼社長)
「分析・新薬価制度」(中)―小野俊介氏(東大大学院薬学系研究科医薬品評価科学講座准教授)
未承認薬への対応「新薬開発を阻害するものではいけない」
未承認薬・適応外薬問題解消へ―厚労省の検討会議が初会合
「新薬創出促進加算は画期的な制度改革の一つ」―庄田製薬協会長

【同盟弱体化】第2部 普天間問題(上)県外固執 首相の甘さ(産経新聞)
里見女流名人CMデビュー!人気将棋漫画のCMで(スポーツ報知)
成田空港発着枠拡大、認知度アップへ千葉県も提言(産経新聞)
名古屋市の責任認める=「事故は予見可能」−火災現場で崩落、消防士死亡・地裁(時事通信)
時効2日前に女性暴行の男を起訴 DNA鑑定で発覚(産経新聞)
posted by ナカザワ コウイチ at 01:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月31日

警察庁長官狙撃 「オウムのテロ」 会見で警視庁公安部長(毎日新聞)

 国松孝次・警察庁長官(当時)が狙撃された殺人未遂事件の公訴時効(15年)が成立した30日、警視庁の青木五郎公安部長は会見し「オウム真理教の信者グループが松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の意思の下、組織的・計画的に敢行したテロと認めた」と発表した。その上で「犯人に法の裁きを受けさせることなく時効を迎えたことは誠に残念」と述べた。警視庁が時効事件で所見を示すのは初めて。南千住署捜査本部は30日午後、容疑者不詳で東京地検に書類を送付し捜査を終結する。

 青木部長は会見の冒頭、敗因について「私どもの力が及ばなかったことに尽きる。謙虚に反省し、今後の糧にしなければならない」とメモを読み上げた。

 警視庁は会見で、A4用紙16枚の捜査結果概要を公表。「オウム真理教による組織テロと認めた」として、教団幹部ら8人をアルファベットで記載して判明した捜査結果を評価したが、「可能性が高い」「推認される」などあいまいな表現が随所にちりばめられた。

 会見では「あいまいな根拠で犯行グループと断定し、公表するのは人権侵害にあたるのではないか」との質問が相次いだ。青木部長は「15年間、48万人を投じた捜査について国民に説明する必要があると考えた。オウムによるテロの悲劇を二度と繰り返さないことが大事で、人権にも配慮して公益性の観点から判断した」と述べた。

 捜査を主導した公安部と刑事部との間で連携不足があったのではとの指摘に対しては「発生当初から刑事部も多数(の捜査員)が入り、一体となって捜査した。総力を挙げて全力で捜査した」と述べ否定。教団による事件と決めつけた捜査だったとの批判については「特定の見立てや構図によってなすべき捜査がなされなかったことはないと確信している」と語った。

 大阪市で01年に起きた現金輸送車襲撃事件などで無期懲役が確定し、毎日新聞などに「狙撃事件を実行した」と主張する男(79)の関与については、「捜査結果と矛盾する点が多数あった」として「事件とは関係ないと判断した」と述べた。

 捜査結果概要は31日から1カ月、警視庁のホームページに掲載される。【村上尊一】

【関連ニュース】
警察庁長官狙撃:時効成立 国松氏「捜査、不合格だった」
警察庁長官狙撃:延べ48万人動員実らず…時効成立
警察庁長官:DNA型の試料「面前で封印を」
ネット違法情報:削除せぬ管理者、刑事責任追及へ…警察庁
地下鉄サリン:15年でつどい 元警察庁長官「反省多い」

<東京・丸ノ内線>35分ストップ、朝の足4万人に影響(毎日新聞)
「子供たちの夢奪った」ペコちゃん盗に執行猶予付き判決(産経新聞)
「コメントは不可能」=長官銃撃時効でひかりの輪(時事通信)
<抱っこひも>米製品で窒息の恐れで注意喚起 自主回収も(毎日新聞)
強制わいせつ致傷、名古屋市立小教諭を逮捕(読売新聞)
posted by ナカザワ コウイチ at 05:30| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月27日

児童ポルノ担当を新設=検視、危機管理も体制強化−警察庁(時事通信)

 警察庁は4月1日に組織を改編し、「児童ポルノ対策官」を新設する。児童ポルノの事件や被害児童が過去最多を更新し続け、流通防止に向けた議論が高まっていることを受けたもので、都道府県警への指導と海外関係機関との連携を強化する。
 犯罪が疑われる死体の見逃しを防ぐため、「検視指導室」も新設。事件性の有無を判断する検視官(刑事調査官)だけでなく、死体を取り扱うほかの警察官にも、不審点を見逃さないポイントなどを指導する。
 新型インフルエンザの発生や北朝鮮による弾道ミサイル発射など、危機管理上の緊迫した局面が増えていることから、「危機管理企画官」を所属長級に格上げし、参事官を充てる。社会経済情勢の変化に伴い、反グローバリズムや環境保護を掲げる過激な団体が警備対策上の大きな課題となっているため、「警備情報対策室」も設ける。 

【関連ニュース】
【特集】緊迫!朝鮮半島〜金総書記、「余命は3年」〜
【特集】話題騒然 ファーストレディー
〔特集〕真珠湾攻撃〜ワレ奇襲ニ成功セリ〜
〔特集〕F35ライトニング戦闘機〜次期主力戦闘機の有力候補〜
【特集】陸上自衛隊装備図鑑〜新型戦車、10年度配備へ〜

子ども手当法、きょう成立 外国人申請殺到も 財源いまだ綱渡り(産経新聞)
自治会、PTA…緊急時に備え 名簿づくり“お墨付き” 箕面市条例あす成立へ(産経新聞)
安全委にエレベーター部会=来年にも法改正、遺族に報告−前原国交相(時事通信)
<LDH賠償訴訟>旧経営陣らと和解成立(毎日新聞)
<鳩山元総務相>自民離党 邦夫氏、孤独な戦い 与謝野氏、園田氏が距離(毎日新聞)
posted by ナカザワ コウイチ at 00:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。